客足の途切れない本格江戸前寿司
JR関内駅から徒歩8分。横浜の観光名所イセザキ・モールに「鮨の吉祥」はある。店内はちょうどよい広さで、カウンターから全体を見渡せるようなつくり。17時~24時まで開く同店はさまざまな客層で溢れる人気の寿司店だ。
20年間値上げなし! 品質と価格の両立
この20年間、いいものを安く売りたいという思いだけで、一切値上げせずにやってきたという。いまは、回転寿司屋にに行けばいくらでも安く寿司が食べられる時代。「鮨の吉祥」は握りたての美味しい寿司をリーズナブルな価格で提供し続ける。厳選されたネタは上質で、大きすぎず一口で食べやすいシャリのサイズや、口に入れるとほどけるような酢飯の握り具合は熟練の職人ならではの技術。
寿司は日本の大事な文化
「寿司は日本の大事な文化。職人を自分たちの代で絶やしてはならないという強い思いがある」と大将は語る。最近の若い子の中には、切り身が海を泳いでいると思っている子もいると聞く。自分の使命として、若い人に寿司にもっと興味をもってもらいたいし、若い職人を育てていきたい。安い寿司が食べられる時代だからこそ、そういう寿司への思いや愛情が、店の価値を決めるのかも知れない。
季節の一品料理も美しい
「鮨の吉祥」は刺身や一品料理も充実している。今回は刺身の盛り合わせを注文。旬の魚を存分に味わえる。
若いころ大田市場で寿司修行をした大将。「最初から自分の店を持ちたくてこの世界に入った。魚の選び方や仕入れまで全てが勉強だと思ってなんでもやらせてもらったよ。大変だったけど、それがすごく今に活きてるんです」それから20年、今ではその言葉を裏打ちするように、「鮨の吉祥」は横浜で3店舗を構えた。デリバリーサービスや寿司職人出張サービスも好評。29歳で独立したとき、自分の店を持てた喜びと同じくらいやっぱり天狗になっていたと思う、と謙虚に話す大将。「そんなときに自分を育ててくれたのはお客さん。お客さんが若い自分に大事なことをたくさん教えてくれた。あのとき素直にちゃんと聞けた自分がいたから、ここまでやってこれたんだと思います」
カウンターに立つ大将の接客を見ているととても和やかで、楽しそうに仕事をしておられた。暖かい人柄と一緒に寿司をいただくと、日ごろの疲れも吹き飛ぶかもしれない。はまてなし編集部が伺ったのは18時。2時間ほど滞在したが、平日にもかかわらずすぐに満席の状態に。この時間帯ならカップルや女性同士でも利用しやすい。喫煙室有り。