日本開国の港で半世紀以上愛される洋食店
大さん橋近く、海岸通りにある、独特の佇まいの横浜貿易協会ビルは1929 年に施工の歴史ある建物。外装は当時流行だった、櫛でひっかいたような縦線の模様を持つタイル張りのスクラッチスタイル。まるで映画にでてくるようなクラシカルな雰囲気だ。内装はすべて漆喰。レリーフなどの装飾も美しく、重厚感漂う落ち着いた雰囲気。その1、2 階がスカンディヤとなっている。
まるで北欧のお城のような店内
1 階はカフェや食事をカジュアルに楽しめる「スカンディヤガーデン」2 階は本格的な北欧料理が楽しめる「レストランスカンディヤ」。一歩入るとそこは、アンティークに囲まれたノスタルジックな店内。
テーブルの上で楽しめるバイキング
名物料理は、バイキングスタイルの盛り合わせ『スモーガスボード』。一般的なバイキングスタイルは一度席を立ち、大皿から好 きな料理を皿に取り分ける方法だが、それをスカンディヤのスモーガスボードは席についたまま、テーブルの上で楽しめるようにアレンジしている。
特別な日に頼みたい、夢のようなコース料理
約30 年、スカンディヤの厨房を担ってきた総料理長の荒川シェフが存分に腕をふるう、コース料理もおすすめ。シェフの長年培われた技術と品格を備えた料理を堪能できるコースはお祝いや記念日に利用すれば忘れられない、特別な時間になることだろう。
1950 年頃、大阪から友人を訪ねたとき、横浜でデンマーク人のご主人と出会い、結婚。夫の夢であった、「バーやレストランを経営したい、という思いから中華街にコペンハーゲンというバーを開く。その後、夫婦でアメリカを旅行していた際、ロサンゼルスのハリウッドで「SCANDIA」という名前のレストランを訪れ魅了される。帰国後、2 階に空きがあった横浜貿易協会ビルに同名のレストランを1963 年にオープン。50 年以上続く、老舗となった。今では「一度は行ってみたい名店」として地元横浜の方にはもちろん、多くの有名や著名人に愛されている。世界的な指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンや美空ひばりさん、桑田佳祐さんなど著名人も数多く来店。中でも松任谷由実さんは夫の正隆さんとの婚約時、両家顔合わせの場として同店を利用したというエピソードはファンには有名な話だ。
オーナーご自慢のマティーニやカクテル。横浜に米軍人や貿易会社が多かった頃、教えてもらったレシピが今も受け継がれているそうだ。
濱田オーナーは85 歳という年齢を感じさせない立ち振舞いで毎晩接客にあたる。そんな力強い女性としての濱田オーナーのファンも多い。